IPOを目指す企業にとって労務監査が重要な理由とは?

上場準備で見落とされがちな「労務リスク」への備え

IPO準備で「労務管理」が厳しく見られる理由

IPO(株式上場)準備では、売上や事業計画、財務状況に注目が集まりがちですが、労務管理体制の整備も非常に重要な審査項目です。

上場審査では、
・法令を遵守した労務管理ができているか
・未払い残業代などの潜在的債務がないか
・社内ルールや就業規則が適切に整備されているか
・労働トラブルのリスクが管理されているか
といった点が厳しくチェックされます。

労務トラブルは、上場スケジュールの遅延や、最悪の場合IPO中止につながることもあり、事前の対策が不可欠です。

しかし実務の現場では、
・形式的な書類チェックだけ
・法令条文との表面的な照合のみ
・実態を深く見ない監査
に留まってしまい、本質的なリスクが見逃されるケースも少なくありません。

労務監査は「実施すること」自体が目的ではなく、
上場後も問題が起きない体制を作ることが本来の目的です。
そのためには、「誰が監査を行うか」が極めて重要になります。

他士業も労務を見るが、「専門」ではありません

IPO準備では、以下のような専門家が関与します。
公認会計士・監査法人
税理士
弁護士
コンサルタント
これらの専門家が、監査やDD(デューデリジェンス)の一環として
「労務面」も確認するケースは確かに多くあります。

しかし、
・労働時間管理の実態
・残業代計算のロジック
・就業規則と運用の乖離
・ハラスメント・メンタル不調の兆候
・労使トラブルの芽
といった 日常実務に根ざしたリスクの発見 は、労務を専門とする国家資格者である「社会保険労務士」でなければ困難というのが実情です。

労務監査における「社労士の視点」はまったく違います

社労士の労務監査は、単なる書類確認ではありません。

社労士が見るポイント
・実際の勤怠データと申告内容の差
・管理職の運用実態
・名ばかり管理職の有無
・固定残業代制度の適法性
・退職理由の傾向
・社内の不満構造
・労基署調査が入った場合の想定指摘事項
つまり、
「将来トラブルになるかどうか」という視点でチェックします。

これは、日々の労使トラブル・労働紛争・是正指導対応に携わっていなければ養われない視点です。

そして、形式上きれいな勤怠表があったとしても、疑う視点という部分から見えてくる実務上のリスクの発見もあるのです。

例えば、残業時間が36協定の上限時間より1時間少ない時間で記録されている場合、
コンプライアンスの意識としては、なぜこのギリギリな時間が続いているのか、確認する必要があります。

人手不足や業務量によっては、残業が不可欠なケースもありますが、上長から残業時間について指導が入るためやむなくサービス残業に切り替える社員がいたり、名ばかり管理職が部下の残業時間を考え、ただ働きしているようなケースもあり、問題が見えてくる場合もあります。

このような視点は、日々労務管理に携わってきた社会保険労務士にしかないものではないかと考えています。

特定社労士としての強み ― トラブル予測型の労務監査

私は社会保険労務士の中でも、「特定社労士」 です。

特定社労士は、
・個別労働紛争の代理
・労働局・あっせん手続き対応
・労使トラブルの実務対応
を行うことができる資格です。

その経験から可能になること
・どの運用が紛争に発展しやすいか
・どの制度が従業員の不満を生みやすいか
・どの対応が訴訟・労基署指導につながるか
といった 「将来起こるトラブルの予測」 が可能になります。

さらに、
上場企業の子会社における労務監査を実際に担当してきた経験もありますので、
上場審査で見られる観点、いわゆるやっていて当たり前のラインをしっかりと理解しています。

実務レベルで求められる改善水準を踏まえた、現実的かつ実効性のある労務監査 を行うことができます。

有効性の高い労務監査は「社労士に依頼する」ことが前提

IPO準備における労務監査は、
・形式的なチェックでは意味がない
・指摘事項が抽象的でも役に立たない
・実務改善につながらなければ価値がない
ものです。そのため、
労務監査は「社労士に依頼する」、その中でも「紛争実務を知る特定社労士に依頼する」ことが、最も有効性の高い選択になります。

労務監査の流れ・スケジュールについて
実際にご依頼いただいた場合の実施までの流れ、必要資料、期間の目安、改善対応ステップなどについては、下記ページで詳しくご案内しています。
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